おはようございます。
目黒区目黒本町(学芸大学駅エリア)の女性司法書士・行政書士、増田朝子です。
相続・遺言・終活サポートを中心に、地域の皆さまの安心のための法務サービスを行っています。
■デジタル遺言とは?法務局の遺言書保管制度・公正証書遺言との違い
令和8年6月、遺言制度に関する民法改正により、新しい遺言の制度として「保管証書遺言」が創設されることになりました。
(令和8年6月17日に可決成立、令和8年6月24日に公布)
この新しい保管証書遺言は、報道などでは「デジタル遺言」と呼ばれることもあります。
法務省の説明では、保管証書遺言は「電子データ等をもって作成し、法務局において保管する」方式とされています。
つまり、これまでの自筆証書遺言のように、本文をすべて手書きする方式とは異なる、新しい遺言の形が予定されているということです。
保管証書遺言は、公布の日から3年を超えない範囲内で、政令で定める日から施行される予定です。公布日は令和8年6月24日ですので、遅くとも令和11年6月頃までには制度が始まる見込みです。
今回は、この新しいデジタル遺言(保管証書遺言)と、すでにある法務局の遺言書保管制度、公正証書遺言との違いについて、簡単に整理します。
■今ある法務局の遺言書保管制度とは?
すでに法務局には、「自筆証書遺言書保管制度」があります。
これは、自分で作成した自筆証書遺言を、法務局で保管してもらう制度です。
この制度を利用すると、遺言書の紛失や改ざんを防ぎやすくなります。
また、相続開始後に家庭裁判所での検認が不要になるというメリットもあります。
一方で、法務局では遺言の内容について相談することはできません。
また、法務局で保管されたからといって、その遺言が必ず有効であることまで保証されるわけではありません。
つまり、今ある制度は、
「自筆証書遺言を、安全に保管してもらう制度」
と考えると分かりやすいと思います。
■デジタル遺言(保管証書遺言)と今の自筆証書遺言書保管制度の違い
今ある自筆証書遺言書保管制度は、あくまで「自筆証書遺言」を法務局で保管する制度です。
そのため、遺言の本文は、原則として遺言者本人が手書きする必要があります(例外:財産目録部分など)。
これに対して、今回創設される保管証書遺言は、「電子データ等をもって作成し、法務局において保管する」新しい遺言の制度とされています。
大きな違いは、
「手書きで作成した自筆証書遺言を保管する制度」なのか、
「電子データ等を用いて作成し、法務局で保管する新しい制度」なのか、
という点です。
ただし、制度の詳しい運用はこれからです。
今後、実際の利用方法や手続の流れが明らかになっていくものと思われます。
■公正証書遺言との違い
遺言の中で、現在も実務上よく利用されているのが公正証書遺言です。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言です。
証人2名の立会いが必要で、遺言者ご本人の意思を確認しながら作成します。
なお、公正証書についても、令和7年10月1日から作成手続のデジタル化が始まっています。
公正証書は原則として電子データで作成・保存され、電子サインを利用する仕組みになりました。
最近、当事務所でも公正証書遺言の作成支援を行いました。
その際、私は証人として関与し、電子署名を行いました。
もっとも、実務の現場ではまだ移行期という印象もあります。
私が電子署名を行った際にも、通信状況などに備えて、念のため印鑑も持参するよう案内されました。
このように、公正証書遺言も、手続の面では少しずつ電子化が進んでいます。
ただし、公証人が関与し、遺言者ご本人の意思を確認しながら作成するという基本は変わりません。
家族関係が複雑な場合、相続人間で意見が分かれそうな場合、遺留分への配慮が必要な場合、不動産や証券口座など複数の財産がある場合には、今後も公正証書遺言を検討する価値は高いと思います。
■便利になっても、遺言の内容が大切です
デジタル遺言が始まると、遺言を作るハードルは下がるかもしれません。
これは、とても良いことだと思います。
ただし、遺言は「作ること」だけが目的ではありません。
誰に、何を、どのように残すのか。
その内容で、相続手続きが実際に進められるのか。
相続人間で不要なトラブルが起きにくい内容になっているのか。
こうした点を考えることが大切です。
制度が便利になっても、遺言の内容を丁寧に考えることの重要性は変わりません。
■まとめ
保管証書遺言、いわゆるデジタル遺言は、これから始まる新しい遺言の制度です。
すでにある法務局の自筆証書遺言書保管制度は、「自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度」です。
一方、保管証書遺言は、「電子データ等をもって作成し、法務局において保管する」新しい制度とされています。
また、公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言であり、安心感の高い方法として、今後も重要な選択肢であり続けると思います。
大切なのは、新しい制度かどうかではなく、ご自身の家族関係や財産内容に合った方法を選ぶことです。
遺言は、残されたご家族への大切なメッセージでもあります。
制度が変わっても、内容をきちんと考えておくことが何より大切です。
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司法書士・行政書士 増田 朝子(ますだ ともこ)
司法書士・行政書士 増田リーガルオフィス
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📞03-6338-9878
✉info@masuda-legal.com
プロフィール
相続・登記・遺言・空き家対策
家族の法務支援に注力
幅広い経験に基づくコンサルティング
目黒区在住
東京司法書士会所属・登録番号 7656号
簡裁訴訟代理認定 第501506号
東京都行政書士会所属・登録番号 18082496号
東京家庭裁判所家事調停委員(令和2年より)
相続・不動産コンサルティング会社 代表取締役



