おはようございます。目黒区の司法書士の増田朝子です。
開業してからご依頼人との距離が近くなりました。その分、今まで以上にご依頼人を取り巻く
人間関係について考えさせられることがあります。
そんな時に出会った本がこちらです。
「超高齢化社会の家族法と法律実務」(大阪司法書士会 家族法研究会)
https://www.kajo.co.jp/book/40710000001.html
少子・超高齢化社会に突入し、家族の在り方も変わってきており、
それでも老いていくいくなかで、個々人が安心して暮らしていくため、
家族の力に頼るたけでなく、どうやって支え合って生きていけるのか。
また、法律家としてどのように支援していけるのか。
特に注目したのは、この本では無縁社会の克服のため高齢者が求めるつながりとして、
家族以外との「ヨコの家族関係」=「パートナー関係」の創設についてや、
パートナーとの財産関係と、および財産関係以外についてもその考え方や
法的支援の仕方について記載されています。
パートナーと言っても、いわゆる高齢者となった同姓カップルにとどまらず、
婚姻を求めない異性カップル、友人同士や兄弟姉妹なども含まれます。
相続人関係にない当事者が支えあって暮らしていく上で、一定の保護を与え合えるような
契約を結ぶこと、その具体的な「パートナーシップ契約書」のひな形もなどもありました。
また、自治体が発行するパートナーシップ証明制度の紹介もあります。
身近なところでは、渋谷区や世田谷区でも制度がありますが、
現状はあくまでも自治体レベルでの取り組みなので、その違いについても解説がありました。
そのほか、超高齢化社会をポイントに、成年後見制度や遺言、遺留分についての
新しい考え方が示されていて、大変参考になる本でした。