おはようございます。目黒区の司法書士の増田朝子です。
退職慰労金として、現物支給をする場合があります。
不動産などはよくありますが、今回は自動車を現物支給したいとのご相談がありました。
自動車を現物支給すること自体は問題はありません。
退職慰労金の支給については、株主総会の承認を得ることになります。
退職慰労金の現物支給については、取締役の報酬に関する会社法361条第1項3号によると「報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容」を定める必要があります。
自動車の場合、あとで運輸支局に登録の書換があるので、それを意識しすると株主総会での決議は以下のような内容でいいのではないかと思いました。
査定をもとにした価格も記載していますが、これは1号や2号との同様に価額(評価額)が必要だろうと思ったからです。
(ちなみに、これは私のオリジナルでかならずしも一般的かわかりません。)
なお、自動車の登録の書換の際には、株主総会議事録は必要書類ではないようです(cf.相続による名義書換の場合の遺産分割協議書)。
////
議 案 退任取締役に対し退職慰労金贈呈の件
議長は、本日付で辞任する取締役〇〇氏に対し、下記のとおり退職慰労金を贈呈したく、議場に諮ったところ、満場一致をもってこれを承認可決した。
1.退職慰労金の具体的内容及びその額
当社が所有する車両(登録番号:〇〇〇)
車名:〇〇〇 型式:〇〇〇 車台番号:〇〇〇
この価格 金〇〇〇万円(時価相当額:別紙査定額見積書のとおり)
2.支給日:平成〇〇年〇月〇日
///
参考条文
(取締役の報酬等)
第361条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
三 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
2 前項第2号又は第3号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。
急に寒くなって、風邪をひいてしまいました。
皆様もお気を付けください💦
よろしければ、クリックお願いします!
↓